近傍系
全体集合 X の元 x に対し、以下の公理を満たす部分集合系 U(x) を x の近傍系 (英:neighborhood system) といい、U(x) の元 U を近傍 (英:neighborhood system) という。これらの公理は近傍系の公理と呼ばれる。
(N1)(N2)(N3)(N4)(N5):U(x)=∅:∀U(U∈U(x)⇒x∈U):∀U,V(U,V∈U(x)⇒U∩V∈U(x)):∀U,V(U∈U(x)∧U⊆V⇒V∈U(x)):∀U∈U(x),∃W∈U(x),∀y∈W(U∈U(y))
- (N1) :全体集合 X の元 x の近傍系 U(x) は空集合 ∅ ではない。
- (N2) :任意の U が U(x) の元ならば、U は x を含む。
- (N3) :任意の U,V が U(x) の元ならば、U(x) はU,V の合併集合を含む。
- (N4) :任意の U,V において、U が U(x) の元かつ、U が V の部分集合ならば、V は U(x) の元である。
- (N5) :任意の U∈U(x) に対し、W∈U(x) が存在して、任意の元 y∈W に対し、U∈U(y) となる。
基本近傍系
全体集合 X の元 x の近傍 U∈U(x) に対し、U∗⊂U,U∗(x)⊆U(x) となる近傍 U∗⊆U∗(x) が存在するとき、U∗(x) を基本近傍系 (英:fundamental system of neighborhoods) という。
∀U∈U(x),∃U∗∈U∗(x)(U∗⊆U,U∗(x)⊆U(x))
開近傍
位相空間 (X,O) において、点 x∈X を含む開集合 O∈U(x) を x の開近傍 (英:open neighborhood) という。
内部
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A に対し、開集合 O∈O が A の新部分集合となるとき、その開近傍の合併集合を A の内部 (英:interior) あるいは開核 (英:open kernel) という。またこのとき A の内部の元を内点 (英:interior point) という。
IntA:=O⊂A⋃O(O∈O)
外部
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A の補集合 A∁ に対し、開集合 O∈O が A∁ の新部分集合となるとき、その開近傍の合併集合を A の外部 (英:exterior) という。またこのとき A の外部の元を外点 (英:exterior point) という。
ExtA:=O⊂A∁⋃O(O∈O):=IntA∁
境界
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A に対し、点 x∈X が A の内点でも外点でもないとき、x を A の境界点 (英:frontier point)、境界点 x 全体の集合を A の境界 (英:frontier) という。
FrA:=X∖(IntA⊔ExtA)
閉包
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A において、A の閉包 (英:closure) とは次式を満たす集合のこと。A の閉包 A に属する点 x∈X を A の触点 (英:adherent point) という。
A:=IntA⊔FrA
また A の閉包が X に等しいとき、A は X において稠密 (英:dense) であるという。
集積点
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A に対し、点 x∈X の開近傍 O∈U(x) と A の共通部分に x 以外が含まれているとき、 x を A の集積点 (英:limit point) という。
O∩(A∖{x})=∅(O∈U(x))
孤立点
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A に対し、点 x∈X の任意の開近傍 O∈U(x) で、A の共通部分に x 以外なにも含まれていないとき x を A の孤立点 (英:isolated point) という。
O∩(A∖{x})=∅(O∈U(x))
離散空間
位相空間 (X,O) の空間 X の部分集合 A に対し、開近傍の族が冪集合 P(X) と等しいとき、P により定められる数学的構造を離散位相 (英:discrete topology)、空間 X と P(X) の組 (X,P(X)) を離散空間 (英:discrete space) という。
密着空間
密着空間 (英:indiscrete space) とは、空集合 ∅・全体集合 X 以外の開集合がない位相空間 (X,{∅,X}) のこと。
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参考文献