呼称
- 微分積分学の基本定理、微分積分法の基本定理 (fundamental theorem of calculus)
概要
微分積分学の基本定理とは、「微分と積分が交互に逆の操作・演算である」と主張する解析学の定理である。ここでの積分は、リーマン積分を指す。
定理
f を区間 I=[a,b]⊂R 上の実数値連続函数とする。
- f の I 上の不定積分は、I の f の原始関数である。
- I 上の f の任意の原始関数 G は、任意の f の不定積分 F に対して G(x)=F(x)+C (x∈I) を満たす定数 C∈R が存在する。
- G を I 上の任意の原始関数とすると、∫abf(t)dt=G(b)−G(a) が成り立つ。
証明
1. の証明:
不定積分の定義により、
F(x)=∫axf(t)dt
とすると、F(x) の導関数 F′(x) は、
F′(x)=h→0limhF(x+h)−F(x)=h→0limh1[∫ax+hf(t)dt−∫axf(t)dt]=h→0limh1∫xx+hf(t)dt=f(x)
よって、区間 I=[a,b] 上 F(x) は f(x) の原始関数である。
2. の証明:
G(x) は f(x) の原始関数であるため、定義により G′(x)=f(x) である。また F(x) は f(x) の不定積分であるため、
G′(x)G′(x)−F′(x)[G(x)−F(x)]′G(x)−F(x)G(x)=F′(x)=0=C′=C=F(x)+C
よって、G(x)=F(x)+C を満たす定数 C が存在する。
3. の証明:
∫abf(t)dt∴∫abf(t)dt=∫abf(t)dt−∫aaf(t)dt=F(b)−F(a)=[F(b)+C]−[F(a)+C]=G(b)−G(a)=G(b)−G(a)
関連
文献