イェンセンの不等式
イェンセンの不等式 (英:Jensen's inequality) とは、凸関数 f において次式が成り立つことを主張したもの。
i=1∑nλif(xi)≥f(i=1∑nλixi)(i=1∑nλi=1)
イェンセンの不等式の証明:
次の不等式が成り立つと仮定する。
i=1∑nλif(xi)≥f(i=1∑nλixi)(i=1∑nλi=1)(1)
n=1 のとき、以下により (1) は成り立つ。
i=1∑1λif(xi)λ1f(x1)f(x1)≥f(i=1∑1λixi)≥f(λ1x1)≥f(x1)∵(i=1∑1λi=λ1=1)
n=2 のとき、凸関数の定義が導かれ、f は凸関数であるため (1) が成り立つ。
i=1∑2λif(xi)λ1f(x1)+λ2f(x2)λ1f(x1)+(1−λ1)f(x2)≥f(i=1∑2λixi)≥f(λ1x1+λ2x2)≥f(λ1x1+(1−λ1)x2)∵(i=1∑2λi=1)
n=k+1 のとき、
i=1∑k+1λif(xi)Λ′=i=1∑kλif(xi)+λk+1f(xk+1)=i=1∑kλi∵(i=1∑k+1λi=1,i=1∑kλi=1)(2)
(1) が仮定されているため、(2) から次式が得られる。
i=1∑kλif(xi)=Λ′i=1∑kΛ′λi(i=1∑kΛ′λi=1)(3)
よって (2),(3) から以下が導かれ、数学的帰納法によりイェンセンの不等式が証明される。
i=1∑k+1λif(xi)Λ′f(i=1∑kΛ′λixi)+λk+1f(xk+1)f(Λ′i=1∑kΛ′λixi+λk+1xk+1)∴i=1∑k+1λif(xi)=i=1∑kλif(xi)+λk+1f(xk+1)=Λ′i=1∑kΛ′λif(xi)+λk+1f(xk+1)≥Λ′f(i=1∑kΛ′λixi)+λk+1f(xk+1)∵(i=1∑kΛ′λi=1)≥f(Λ′i=1∑kΛ′λixi+λk+1xk+1)∵(Λ′+λk+1=1)=f(i=1∑kλixi+λk+1xk+1)=f(i=1∑k+1λixi)≥f(i=1∑k+1λixi)
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参考文献